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「ノーサイドゲーム」池井戸潤の書評・あらすじ・感想

書評

「ノーサイドゲーム」は、アストロズの選手と君島が、日本のラグビー界を改革するために、地道な努力を積み重ね、さまざまな問題を解決して前進していくストーリーです。すべてが収まるところに収まっていきます。

池井戸潤さんの紹介

1998年「果つる底なき」で江戸川乱歩賞、2010年「鉄の骨」で吉川英治文学新人賞、2011年「下町ロケット」で直木賞を受賞されています。代表作品に「半沢直樹」シリーズ、「下町ロケット」シリーズ、「花咲舞」シリーズなどがあります。

「ノーサイドゲーム」は2019年6月に書籍が刊行され、2019年7月の夏ドラマTBS「日曜劇場」に起用されました。

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「ノーサイドゲーム」を読もうと思ったきっかけ

TBS「日曜劇場」でテレビドラマ化されたので、原作を読んでみたかった。

「ノーサイドゲーム」のあらすじ

第一部 ファースト・ハーフ

プロローグ
第一章 ゼネラルマネージャー
第二章 赤字予算への構造的疑問
第三章 監督人事にかかる一考察
第四章 新生アストロズ始動
第五章 ファーストシーズン
エピローグ

第二部 ハーフタイム

第三部 セカンドハーフ

第一章 ストーブリーグ
第二章 楕円球を巡る軌跡
第三章 六月のリリースレター
第四章 セカンドシーズン
第五章 ラストゲーム
ノーサイド

主な登場人物

主人公

君島隼人…経営戦略室より横浜工場総務部に移動。総務部長兼アストロズ・ゼネラルマネージャー

トキワ自動車 本社

島本 博…トキワ自動車社長
滝川桂一郎…常務取締役営業本部長
脇坂賢治…経営戦略室長

藤島レナ…海外事業部所属。七尾の本社配属先での元指導員。

トキワ自動車 横浜工場

新堂智也…横浜工場 工場長

横浜工場 ラグビー部 アストロズ

柴門琢磨…アストロズ監督。元城南大学監督。実績を買われ、君島に引き抜かれた。
佐倉多英…アナリスト
岸和田徹…キャプテン(ナンバーエイト)
浜畑 譲…選手(スタンドオフ)
七尾圭太…新人選手(スタンドオフ)
里村亮太…選手(スクラムハーフ)
佐々 一…選手(スクラムハーフ)
友部祐規…選手(プロップ)
岬 洋…選手(フルバック)

日本モータース ラグビー部 サイクロンズ

津田三郎…サイクロンズ監督。城南大学OB。

日本蹴球協会

富永重信…日本蹴球協会会長
木戸祥助…専務理事

その他登場人物

星野…トキワ自動車研究所研究員。森下の元部下。
森下…横浜工科大学教授。風間から口止め料をもらう。

風間有也…カザマ商事社長。事故を隠匿したまま、トキワ自動車に自社を売却しようとした。
青野宏…横浜カントリー責任者兼カザマ商事社長室長代理。

峰岸飛呂彦…東京キャピタル社長。カザマ商事を滝川に買収仲介した。

あらすじ

君島は、降格人事により、本社の経営戦略室から、トキワ自動車 横浜工場に移動になった。肩書は、総務部長兼ラグビー部 アストロズのゼネラルマネージャーだ。着任後君島は、アストロズと日本ラグビー界の問題に直面する。

予算の問題
監督の問題

アストロズは、総勢80人(内選手50人)を抱え、1シーズン16億円の経費がかかっている。その上、収入が事実上ほぼ0円ときている。そこには、日本蹴球協会が主催するプラチナリーグへの運営方法の不味さや、アストロズの人気のなさからくるチケット収入問題など複数の問題があった。

君島は、着任早々、ラグビー界の抜本的な改革を大胆に推し進めようとする。

一方、滝川が進めるカザマ商事買収案件に暗い影が差し始める。

「ノーサイドゲーム」の感想

全体的な印象として、池井戸潤さんは、世間の人々が求めるであろうストーリーを、ニーズに応えて書いている印象を受けました。

誰にともなくつぶやいた津田は目を細くして壁の一点を見据える。やがて、
「叩きつぶしてくれるわ」
しわがれた声でいった津田は、くゆらせていたタバコを、灰皿の底に強く押し付けて消した。

柴門と津田の因縁対決。
ムッチャ怖い。(^_^;)

「自分の人生にもめ事が起こるのは困るけれど、他人のもめ事はちょっと覗いてみたい」という、潜在的な大衆心理を良く掴んでいるなぁと思います。

野次馬根性というか、闘争本能というか。こういう感覚は、誰でも持っていますよね。

2年目の予算申請。

「君らはいったい、どうしたいんだ。アマチュアリーグとしてなら、十六億円ものカネはかけ過ぎだ。プロリーグにしたいというなら、惨憺たる観客動員を放置しているのはどういうわけだ。」

滝川にめっちゃ怒られる君島。
ほんとに、どっから手をつければいいんだか。(・へ・)

プラチナリーグは社会人ラグビーで、アマチュアなので、スポンサーが取れない。アストロズは、弱いので、人気がなく観客が来てくれない。日本蹴球協会は、アマチュアだからという言い訳を大義名分として、採算を取る考えが全くない。

ゼネラルマネージャー着任早々、
この問題を超ド ストレートで日本蹴球協会にかます君島。

「こんな経営の子会社があれば、即刻潰すか、抜本的なリストラを命じるところです」

初対面の日本蹴球協会に向かって、子会社呼ばわりする大胆な君島。( ゚Д゚)

しかも、改革を検討してくれと頼んだ1か月後、どうなったか再び日本蹴球協会に聞きに行く君島の心の強さ。

「だったら、何を議論しているんですか、あなた方は。だいたい私の提案書に金儲けをしろとは書いてないでしょう」

「金を儲けて費用を穴埋めせよと書いてありましたよね。アマチュアスポーツで、そこまでやる必要はないというのが当協会の見解です」

その強い君島の、さらに上を行く日本蹴球協会。

おぬしも悪よのぅ…(-_-メ)
って言いたくなる人がいっぱい出てくる。

君島の良いところ

「折角のお誘いですが」
君島は声を絞り出した。
「私には横浜工場の総務部長として、またアストロズのゼネラルマネージャーとしてやり残したことがあります。彼らを見捨てては戻れません」

本社へ戻ってこいという脇坂の誘いを断る君島。

アストロズの選手たちを置きざりにして、志半ばにして自分だけ本社に戻り、出世街道を登るということが、どうしてもできない。

そこがまっすぐな性格の君島の良いところ。
皆との気持ちを大切にするところが素敵だなと思いました。

現実の世界では、君島のように感情をむき出しにして、正面からぶつかっていったりとか、損得を考えず、自分の気持ちに素直に従って行動することはなかなか出来ません。

だから、視聴者は、ドラマの中で、君島が自分を代弁してくれているかのように感じ、気持ちがスッキリするんだろうな、と思いました。

池井戸潤さんはそこらへんのことをよくわかっていらっしゃるんだなと思いました。

ノーサイド・ゲーム

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はづき

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