マリィのハッピー読書手帖

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いじめを受けている人に教えたい「こども六法」山崎聡一郎の書評・要約・感想

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「こども六法」は、大人でも難解な法律を、子供に分かるように、易しい文章で書かれた実務書です。イジメなどで困っている子供が、自分の身を守るために役立てて欲しいとの思いから作られた本です。

 

 

山崎聡一郎さんの紹介

肩書は、教育研究者、写真家、ミュージカル舞台俳優、合同会社Art&Arts社長、慶應義塾大学SFC 研究所員。

 

慶應義塾大学総合政策学部卒業、一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。在学中に、社会起業に力を入れている「オックスフォード大学」に短期留学されています。

 

山崎聡一郎さんは、社会起業を念頭に置いて事業を運営されているのかな、と感じました。研究のテーマは「法教育を通じたいじめ問題解決」とのこと。

 

※ 社会起業とは、社会問題をテーマに、より良い社会を実現するために、世の中に貢献する目的で起業することを言います。

 

「こども六法」が生まれたいきさつ

著者の山崎聡一郎さんは、子供の頃、暴力を伴ういじめにあい、左手首を骨折した経験と、いじめのつらさを知っているはずの自分が加害者になってしまった経験もあり、いじめ問題の難しさを痛感し、いじめ問題に取り組むようになりました。

 

こども六法は、山崎さんが子供の頃に欲しかった本だそうです。山崎さんの周囲の方が、ムーブメントを起こし、賛同した334名の方より、1,796,000円の出資金が集まって、この本は出版されました。

 

一般には販売されていませんが、「こども六法すごろく」という教材もあるみたいです。

 

↓こども六法

 

こども六法の要約と感想

まえがき
第1章 刑法
第2章 刑事訴訟法
第3章 少年法
第4章 民法
第5章 民事訴訟法
第6章 日本国憲法
第7章 いじめ防止対策推進法
いじめで悩んでいるきみに

 

章の冒頭には、その法律の要約が見開き2ページを使って書かれています。

内容は、見開き2ページごとに区切られていて、左に大きなイラストが描かれています。子どもでもパッと見て内容が大体想像できるようになっています。

 

でも、易しい文章で書かれているとはいっても、法律の本なので、子供の本だと甘く見てたら、意外と難しいです。大人が子供と一緒に読んであげる本ですね。

中学生・高校生なら、一人で読んでも理解できると思います。

 

大人が読んでも難しいんだけど。(; ・`д・´)

読んでて、脳みそに汗かいた。(^_^;)

 

いじめ防止対策推進法

www.mext.go.jp

第2条 いじめの定義

第1項 この法律で「いじめ」とは、子どもに対して、同じ学校に通っているなどの人間関係を持っている他の子どもたちが行う、心や体などに影響を与える行動(インターネットを使ったものも含みます)のうち、対象となった子どもが心や体に苦しさや痛みを感じているものをいいます。

いじめをした子供の動機が何であれ、「被害者が嫌だと感じること」はいじめになるそうです。

 

第4条 いじめの禁止

子どもたちは、いじめをしてはいけません。

 

第8条~第22条の要約

親は、いじめから子供を守る責任がある。親や先生、学校は、子どもがいじめにあわないように、いじめ防止や早期発見等、必要な対処を行う責任と義務がある。

いじめをした子どもの親は、他人の子どもをいじめないように自分の子どもを指導しなくてはいけない。

 

第19条 の要約

いじめを受けた子ども又は保護者は、インターネットでの嫌がらせの情報の削除や、情報の発信元を調べたい時は、法務局や地方法務局という機関に協力を求めることが出来ます。

 

第23条 の要約

1項 子どもがいじめにあっていると分かったら、親や先生は、学校に知らせる等の対応をしなければならない。

3項 いじめをした子どもやその親に対して、教師は協力して、専門家とともに必要な指導やアドバイスを行う。

4項 学校は、3項の場合に必要がある時は、いじめをした子どもをいじめを受けた子どもが使う教室以外の場所で勉強させるなどの対応をする。

6項 学校は、いじめ行為が犯罪だと判断できる場合は、警察と協力して対応しなければならない。命にかかわると判断できる場合は、すぐに警察に通報して助けを求めなくてはならない。

 

子どもに向けた法律とは思えないくらい厳しい内容だと感じました。それくらい、今の子どものいじめは、凶悪犯罪化しているということかも知れませんね。

 

いじめで悩んでいるきみに

いじめられても仕方のない理由などありません。もし、きみがいじめにあっているなら、一人で悩まずに、信頼できる大人に相談してみてください。

大人がこの法律を守っていなければ、別の大人にも相談してみましょう。本気で助けてくれる人が見つかるまで、あきらめないことが大切です。

 

・どうしてもつらいときは学校を休んでもいい。
・壊されたもの、汚されたものは保管しておく。
・怪我をしたり、体調が悪いときは病院に行く。
・メールなどのやりとりは保管しておく。
・日記をつける。(何をされたか記録する)

↑これは、味方になってくれた人に、いじめから救い出してもらう為に行う手段のひとつ。

 

いじめを受けている人にとって、最初の砦は、自分の味方になってくれる人を見つけること。子どもにとって、親が味方になってくれないと、問題解決はとても難しい。

 

いじめる側というのは、証拠をつかまれないように行動するので、周囲の大人達が、いじめを受けている子どもの言うことを信じてくれるのかが、まず焦点になる。

いじめる側に犯罪という認識があるのかどうかも問題ですね。

 

味方が見つからなかったら

子供(こども)のSOSの相談窓口(そうだんまどぐち):文部科学省

都道府県警察の少年相談窓口|警察庁Webサイト 

 

24時間子どもSOSダイヤル(文部科学省)

0120-0-78310(なやみいおう)

子どもの人権110番(法務省)平日8:30~17:15分

0120-007-110

児童相談所全国共通ダイヤル(厚生労働省)

189(いちはやく)

 

知らなかった!法律

黙秘権

刑事訴訟法第311条 被告人の黙秘権・供述拒否権、任意の供述

1項 被告人は、裁判の最初から最後までだまっていることができ、また、個別の質問に対して答えないこともできます。

刑訴では、黙秘をしても、裁判で不利に扱われることはありません。

ですが、民訴では…

 

民事訴訟法第159条 自白の擬制

1項 事件に直接関係する本人が相手の主張した事実が本当かどうかを明らかにしない場合は、その事実が本当だと認めたのと考えます。

 

民事訴訟法第208条 不出頭等の効果

事件に直接関係する本人から話を聞く場合、その本人が、きちんとした理由がないのに呼び出しに応じず、または宣誓することや話をすることを拒否したときは、裁判所は、話を聞こうとしていたことについて、相手の主張を真実として認めることができます。

 

刑訴の場合は、言いたくないことは言わなくていい(黙秘)とされているけれど、民訴の場合、黙ってたら自分にとって不利な結果になるという。(・へ・)

民訴、血も涙もなさすぎ。(>_<)

 

裁判にかかった費用の負担

刑事訴訟法第188条の2 無罪判決と費用の補償

1項 無罪の判決が確定したときは、国は、その事件の被告人だった人に対して、裁判にかかった費用を支払います


民事訴訟法第61条 訴訟費用の負担の原則

裁判にかかった費用は、裁判に負けた方が負担します。

 

民事訴訟法第64条 一部敗訴の場合の負担

訴えの一部だけが認められた場合、争った本人たちが裁判にかかった費用をそれぞれどの程度負担するかは、裁判所が決めます。

 

自分の費用は自分が払うんじゃぁないんですね。(^_^;)
罰ゲームみたいで怖いんだけど。

 

読解力を鍛える目的で、読むのもありかと思います。
読み終わるまでに、一回は眠くなると思います。(´・ω・)

 

こども六法