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イギリスの有名なセレブ犬モリー。猫を救出する探知犬「モリー、100匹の猫を見つけた保護犬」コリン・ブッチャーの書評・あらすじ・感想

書評

「モリー、100匹の猫を見つけた保護犬」は、イギリスで初めての「失踪した猫を探し出す探知犬」のお話です。モリーの献身的な仕事ぶりや、それを支えるコリンさんの深い愛情が感動を呼ぶノンフィクションです。

コリン・ブッチャーさんの紹介

ペット探偵。動物に関する事件を調査するパイオニア。

小さなころから動物が好きで、犬、猫、ハムスター、ネズミなどを飼っていた。

英国海軍に11年、1989年より、サリー州警察に14年勤務した後、2003年より私立探偵事務所を設立、2005年よりUKペット探偵社(UKPD)を設立。

UKペット探偵社は、ウェスト・サセックスにある「ブランブル・ヒル・ファーム」を本部とする。2018年12月の時点で、モリーが担当した事件の件数は100を超え、猫は74匹、犬は6匹、ヘルマンリクガメは1匹救出している。

モリーちゃんの紹介

コッカースパニエル犬で保護犬。とっても元気な女の子。おそらく生まれたのは2015年。

問題行動のために、生後10か月の時には、すでに3回飼い主が替わっていたという超おてんば娘。「ガムツリー」という無料情報サイトで、ロブ・ハリスに見つけ出され、探知犬としてスカウトされた。

イングランド南東部のバッキンガムシャー州ミルトン・キーンズにある慈善団体「メディカル・ディテクション・ドッグズ(MDD)」で、2016年12月に探知犬としての訓練を修了。

↓コリン・ブッチャーさんの本

「モリー、100匹の猫を見つけた保護犬」のあらすじ

目次

1モリーの最初のテスト
2嗅覚の勝利
3私立探偵からペット探偵へ
4変わるきっかけ
5先駆的なプロジェクト
6驚きの抜擢
7ブランブル・ヒル・ファームでの訓練
8フィリップ・ホリー、いたずらっ子モリー
9バフィを取りもどせ
10ブルーベルの森
他省略

主な登場人物

コリンの家族

セアラ … コリンのパートナー。
サム … コリンの息子。セアラにとっては義理の息子。

UKペット探偵社(UKPD)

サム(女性)… コリンのアシスタント。UKPDの事務管理部長。
ステファン … スロバキア人。コリンが雇った私立探偵。

メディカル・ディテクション・ドッグズ(MDD)

アンナ・ウェブ … 犬の訓練士兼犬のエキスパート。MDDの広報戦略部門で働いていたことがある。
ドクター・クレア・ゲスト … 動物の行動とにおい認識の研究者。
ロブ・ハリス … 生物探知プロジェクトの専門家。モリーをスカウトした。
ドクター・アストリッド・コンチャ … においのマッチングに関する先駆者。ロブの同僚。
マーク・ドゲット … 犬の行動に関する専門家。フリーランスで、MDDで働いている。

あらすじ

サリー州警察で、順調に昇進を重ねたコリンだったが、現場から離れた職務に追われるようになったことで、次第に仕事に対する情熱が失われていった。私立探偵を起業して、「現場の捜索と事件解決」という、やりがいのある仕事に再び従事しようと決意。

私立探偵の仕事を引き受けていくうちに、ペットの計画的な窃盗、所有権争い、不正取引などの仕事も増えていき、評判も良かったので、UKペット探偵社を立ち上げた。UKPDでは、犬泥棒、迷いネコと失踪猫、馬がらみの犯罪、偽の動物保護センターや偽の動物チャリティという4つの分野の仕事を主に引き受けた。

犬の案件は、凶悪犯との関わりから、民間の探偵には手に負えないと判断、次第に犬から猫へ仕事の軸足を移すようになった。

スージーの飼い猫オスカーの失踪を担当し、あまりにも時間がかかりすぎたため、救出が遅れ、哀れなオスカーは安楽死を迎えることとなる。これがコリンにとって強烈なトラウマとなり、なんとしても猫の探知犬を育てたいという意欲につながる。

着想から5年を経て、モリーという優れた嗅覚をもつ、コッカースパニエル犬とのコンビで猫の救出を行うこととなった。

犬と猫の失踪の違い

猫の場合は、自分からいなくなるケースが多いのに対し、犬の場合は、悪い人間に連れ去られていなくなるケースが多い。

犬の失踪

そういった事件は徐々に卑劣さと恐ろしさを増していった。65ページ

有名人が飼っていた犬が、親戚の怨恨によるトラブルに巻き込まれて犠牲になったり、

盗難に遭ったスプリンガースパニエルの行方を追っていたところ、イングランドの南にある不法な子犬工場に行き着いた。66ページ

事件や犯罪に巻き込まれて、犬たちが餌もろくに与えられずに狭い、光の差さない劣悪な環境に閉じ込められている。

そういった案件を取り扱ううちに、悪徳ディーラーやギャングから嫌がらせや脅迫を受けるようになり、自分や従業員の身の危険を感じたコリンさんは、特に凶悪な犬の失踪事件からは、手を引く決断をします。

猫の失踪

猫のなかには、飼われている家の状況に何かしら変化があると、それを不都合に思うものがいる。新たに赤ん坊が産まれたとか、部屋がリフォームされたといった場合だ。それ以外にも、攻撃的な猫が家や庭に侵入してきたことで、これまで自分の縄張りだった場所から追われる猫もいた。81ページ

猫のタイタン(本名はミロ)は、同居していた雌が子供を6匹産んだことに嫌気をさし、家出しました。(>_<)

具合の悪くなった哀れな猫が、病気を環境のせいだと思い、その苦しみから「逃れる」ために場所を移動することはよくあった。224ページ

日本では「死期を察した猫はいなくなる」と言われるけれど、それはこういう理由からだったんですね。

事故に巻きこまれて重傷を負った猫は痛みの源から本能的に逃げようとして現場を離れるものとわかっていた。事故のショックで放出されるアドレナリンに力を得て逃走し、近場の納屋やドアのあいたガレージなど最初に見つかった安全な場所に身を隠すことが多い。342ページ

苦しかったり、痛かったり、不安な状況から本能的に離れるという習性が猫にはあるんですね。

猫がいなくなる要因は2つ

外的要因

となりの家で攻撃的な犬を飼いだした、近所の公園で打ち上げ花火が上がった、工事業者が近くの道路を掘削機で掘り始めたなど。飼い主にはどうすることもできない場合が多い。

内的要因

何らかの形で飼い主がかかわっていることが多く、猫の暮らす屋内環境に関係する。新しいペットがやってきたり、赤ん坊が産まれたり、嫌いな餌が出されるようになったり、家を引っ越して方向感覚を失ったり。

現状に不満をかかえる猫は、それを飼い主に知らせようと、あらゆる手をつかってアピールする。373ページ

それでも飼い主にわかってもらえないと、あきらめて家出をするそうです。

日本と海外の治安の差

日本では誘拐が起こるとは、とうてい考えられない施設が、海外では動物にとって危険な場所になりうることがあります。

多くの場合、民間の厩舎やペットホテルを利用するのは危険だった。60ページ

偽の動物保護センターや動物チャリティ。61ページ

イギリスでは、夕暮れ時に散歩をさせるのは危険。その時間帯に犯人に狙われることが多いとのこと。 車の中やショッピングモールにペットをひとりで置いておくのも危険。

犬の嗅覚はスゴイ!

犬は異なるにおいをピンポイントでさがしあてる驚異的な能力を持っていて、その点においてほかに匹敵する動物はいない。262ページ

人間の場合は、

キッチンのコンロでブルゴーニュ風牛肉の赤ワイン煮がぐつぐつ煮立っていたとする。そこへ入っていけば、人間は料理全体のにおいを感知する。

犬の場合は、

しかし犬の場合は、その料理をつくるのにつかわれている材料の各々を別々に感知できる。ベーコンと牛肉のにおい、ニンニクとタマネギのにおい、赤ワインとローズマリーのにおいを区別して、別個に感知できるのだ。

さらに、モリーのような優れた嗅覚を持つ犬は、

モリーのように極めて感度の高い鼻を持つ犬は、鍋がどんな金属からつくられているかも感知できる。

医療探知犬について

においだけで特定の癌を発見するよう訓練されており(呼気のサンプル、尿、綿棒で集めた皮膚細胞などをつかう)、いつの日か、臨床での検診スクリーニングで活躍することを期待されているという。104ページ

MDDでは、ほかにも人間の体臭の変化から病的な異変を感知する犬など、多数の医療探知犬を育成しています。医療探知犬は、糖尿病や、アディソン病、深刻な食物アレルギーを持つ患者を支えています。

↓コリン・ブッチャーさんのYou tube チャンネル

この映像は、ブランブル・ヒル・ファームでの訓練の様子です。チャンネル4という番組で放映されました。

動画では、モリーは仕事用のハーネスをつけています。

滅菌したジャムの空き瓶の中に入っている、ターゲットの猫(コリンの友人の猫)の毛の匂いをかがせます。その匂いを記憶したモリーが、猫を探します。

猫が見つかったら、モリーが「ふせ」で合図をします。(2分50秒のあたり)

見つけたあと、ご褒美として、好物のブラック・ブディングをもらいました。

↓イギリスITV「ディス・モーニング」出演

コリンさんへのインタビュー。映像途中で、コリンさんのクライアントであるヘイリーさんとチワワ犬のマウスちゃんとの中継がつながっています。ヘイリーさんは、2016年10月にマウスちゃんを盗まれ、犯人から不用品セールで売ると脅され、飼い犬預かり所から買い戻します。取り戻した時には、マウスちゃんはげっそりと痩せ、あごとしっぽの骨が折れていました。

この時のモリーは、出演の直前に番組のスタッフが持ってきた、隣の部屋にある犬のおもちゃが欲しくて興奮しています。途中番組ホストのフィリップさんが興奮するモリーをスタジオの外に連れ出します。

帰ってきたモリーは、ソファの下を探検し、ホリーさんのスカートの裾まわりをくんくん嗅ぎ出し足をなめ、ホリーさんが思わず笑いだします。

モリーがソファの上をよじ登り、ソファの背にそって歩いています。この映像は、番組の視聴者のあいだで大人気になり、You tubeにアップされ、「サン」誌のウェブサイトでも取り上げられ、モリーは一躍有名セレブ犬になります。

「モリー、100匹の猫を見つけた保護犬」の感想

犬と訓練士とのきずな

犬はあくまで警察に所属するのであって、飼い犬とは違う。それでも訓練士の多くは他の部署に移ることなく、全キャリアを犬との仕事に捧げることはよく知られている。40ページ

コリンの警察時代の、麻薬探知犬レインボーとその訓練士ジョンの絆が感動的です。彼らは、まるでテレパシーのように意思疎通をし、ジョンは、レインボーと離れがたくて、警察署での昇進を断ります。

わたしはこういった動物たちを崇拝しているんです。レインボーであれ、スパーキーであれ、これまでにいっしょに働いたすべての動物を。みな忠実で、骨身を惜しまない。ともに仕事をする相手として、これ以上望むべくもない。そういう相手と離れたいと思う人間がどこにいますか?50ページ

昇進してしまうと、他の部署に異動させられ、レインボーとは別れなくてはならなくなります。

「仕事とは何か?」を探知犬は深く理解しているような気がします。彼ら犬たちは、仕事をすることがとても楽しく、良い仕事をしてほめてもらうのがうれしい、相手に喜んでもらうことが心からうれしくて仕事をするのです。(もちろん、ご褒美のおやつも目的のひとつではありますが。)

しかし本当にすごいのは、こういった犬たちのほとんどは、自分の仕事をつらいとは思っていないことでしょう

まるでかくれんぼのような、ゲームの一種だと思っている。しかも成功すればご褒美ももらえるのですから、楽しくてたまらない 105ページ

使役犬(人間のために働く犬)は、犬舎には決して入れず、人間と同様に家族として育てられます。フォスターファミリーのもとで豊かな愛情を受けて育ちます。

だから、人間に対して愛情を感じる犬に成長し、人間のために役立つことに深い喜びを感じる犬に成長するのだと思いました。

モリーは過去に3回飼い主が代わり、その引き渡しの場所としてパブが使われていたようで、パブに行くと、精神面で不安定になる様子が書かれていました。

コリンさんはそれを誰かに教えてもらったわけではなく、言葉の通じないモリーの行動やしぐさからそれを察知して深い愛情を注ぐ様子がとても心を打たれました。モリーは徐々に心を開き、モリーとコリンさんの間には強い結びつきが生まれました。

「飼い主とペットが再会する」手助けという素晴らしい職業に、モリーが楽しく従事している様子には、とても感動しました。

ドラマや映画化されても面白いだろうなと思います。

モリー、100匹の猫を見つけた保護犬

 

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はづき

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